暁文庫ログーネット小説等紹介ー

暁朔による本、ネット小説、文章などの読書記録及びレビュー

汎銀河企業体 メロンスター.Inc、外宇宙第三会議室@カクヨム

おすすめ度:★★★★☆

汎銀河企業体 メロンスター.Inc

作者: 鶴見トイ

メロンスター社は、銀河全体に営業拠点をもつ大企業である。従業員数は三百億人を超え、時間旅行ツアーからアサガオの栽培、哲学者の派遣業から夏休みの宿題代行まで多岐に渡る事業を行っている。会社案内の事業内容ページがあまりに厚いため、撲殺事件の凶器として使われることが頻発したので、最新の会社案内では事業内容を「かなりたくさん」の一行ですますようになった。これによって年間百三十万本の木が救われることとなったが、大得意先をなくした製本業界は大不況に陥ったため、自殺者が大量発生した。これらの自殺者はどういうわけかきまって木に首をくくったので、首吊りを防ぐために年間一千三百万本の木が伐採されることとなった。セン・ペルはこのメロンスター社のシュレッダーマネージャーとして働いている。主な内容は書類をシュレッダーにかけることなのだが、招いていない仕事が頻繁に舞い込むため、毎回生死の境をさまよう羽目になる。それでも今日もセンは出社し、仕事に勤しんでいる。

外宇宙第三会議室

作者: 鶴見トイ

銀河的大企業に勤務する会社員であるセン・ペルの朝は、いつもの通り最悪だった。いつもの通り最悪というフレーズは矛盾していると思う向きもあるかもしれないが、この場合に限ってはそうではない。なぜなら毎朝毎朝その最悪具合は更新され続けるばかりであり、昨日より今日、今日より明日がより悪化しているからである。

 

 

SF風味の異世界ブラック企業不条理ギャグとその続編。
理不尽な問題の発生から落ち着くところにオチが付くのが、テンポよく進んでいく様がたまらない。
主人公は巻き込まれ体質ではあるものの、被害者かといえばそういうわけでもない気がする。なんというか、良い根性をしている?

 

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