洞窟防衛―宝箱には鍵を忘れずに―@小説家になろう
おすすめ度:★★★☆☆
勤労意欲に目覚めた弱体な怪物である粘液体リモスが、その財産と職場を、ひいてはレーゾンデートルを死守するため洞窟の内外で粉骨砕身する異世界の物語です。彼を脅かす勇者御一行、権威主義、仲たがい、罪悪感、金融危機、クーデター、無関心、肉欲、精神疾患等と抗う中で苦悩する姿は、現代に生きる人々にとっての呪いと同質のものかもしれません。
最近洞窟が話題になっているのでご紹介……というのは冗談として。
ファンタジー群像劇。最近完結。「弱体な怪物である粘液体リモス」が鉱物資源を掘り当てたことによるって生じた現象が、どんどんと世界へ影響を与えていく様子を様々な視点から見ていく様が面白い。成功談、失敗談混合で進んでいくのがよりそれらしく見えて良い。そして、粘液体が粉骨砕身すると書いてはあるけれど、働いているの結構他の人(?)が多いような……。
群像劇は大好物なのだけれども、登場人物が多めになりがちで、完結まで一気に読めないと、誰が何をしていたのか思い出すのに時間がかかりがちなんだよなぁ。
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