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信長の庶子@小説家になろう

おすすめ度:★★★★★

信長の庶子

作者:壬生一郎

庶長子・織田信正織田家の跡継ぎ織田信忠よりも一つ年上の男子である彼は長男であって嫡子ではないという立場にあった。
うつけと呼ばれた父、狐と呼ばれた母の子に生まれ、なんだかんだで子煩悩な両親や賑やかな家臣・弟妹・友人に囲まれながら、自身すら分かっていない歴史改編物語が始まる。

 織田信長のお妾さんの子供として生まれた主人公を中心とした歴史改変系もの。完結済み。主人公は転生者ではないが、その母が……という珍しいスタイル。それだけでも目を引くが、ストーリーの運び方が上手い。程よく緩急があり、連載中は手に汗握る場面が多々あった。個人的にはもっと読みたいので惜しいものの、だらっと続けずきっちり幕を引いたのも良い。

 転生者の存在を匂わせつつ、主人公がストーリーに違和感を感じさせるようなチートをするわけでもなく、敵味方ほうぼうの人々と関わり合い、挫折と苦難を乗り越えて一つの時代に関わっていく。静かに熱いこの作品、おすすめです。

 

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