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グルノールの転生少女 ~ないない尽くしの異世界転生~

おすすめ度:★★★★★

グルノールの転生少女 ~ないない尽くしの異世界転生~

作者:ありの みえ

異世界に転生したティナは、恥ずかしがり屋の日本人な前世の知識に足を引っ張られて片言トークが通常仕様。いずれ流暢に話せるようになればいいや、とのんびり構えていたら両親に先立たれて孤児となってしまう。昔ティナの父親に恩を受けた事があると言う騎士レオナルドに引き取られる事になるが―――――― 青年×少女のほのぼの溺愛系ハートフル(ボッコ)ストーリーになる予定です。

異世界転生ですが、チート能力で戦闘無双・現代知識で異世界開拓・逆ハーレムありません。ないない尽くしの異世界転生モノです。清々しいまでに「自分が読みたいものは自分で書く!」の一言に集約される作者の趣味をひた走るお話です。

 

現代から異世界に転生した少女のお話。基本的に主人公視点で、ほのぼのとした空気がある。しかし、その裏でなかなかに殺伐とした異世界事情が展開されるというギャップが面白い。その残酷さからして、現代人のピュアなハートにはなかなかきついと思われる部分もあるので、なろう系で生ぬるい物語に慣れているからストレス展開が嫌い、という人などはおすすめしない。……やっぱり人を選ぶかもしれないなぁ。

個人的に空気感は『本好きの下剋上』に似ている気がする。転生した少女が、成長するに連れて異世界の常識や価値観に洗われ、適用して生きていく。そんな流れが。しかしながら、あちらほど世界観の見せ方に唸らされることはないので、少し惜しい。どうしてだろう?これを言葉で説明できるようになれば、私はレビュアーとしてやっていけるようになる気がする。

 

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