暁文庫ログーネット小説等紹介ー

暁朔による本、ネット小説、文章などの読書記録及びレビュー

幼女戦記Tuez-les tous, Dieu reconnaitra les siens@Arcadia

おすすめ度:★★★★★

幼女戦記Tuez-les tous, Dieu reconnaitra les siens

作者:カルロ・ゼン

あの時代を、一人の政治家は以下のように評したという。

“戦争から煌きと魔術的な美がついに奪い取られてしまった。
将軍や、英雄が兵士たちと危険を分かち合いながら馬で戦場を駆け巡り、帝国の運命を決する。
そんなことはもう無くなった。
これからの英雄は安全で静かで物憂い事務室にいて書記官たちにとり囲まれて座る。
一方何千という兵士たちが電話一本で機械の力によって殺され、息の根を止められる。
これから先に起こる戦争は女性や子供や一般市民全体を殺すことになるだろう。
やがてそれぞれの国には、大規模で限界の無い一度発動されたら制御不可能となるような破壊のためのシステムを生み出すことになる。
人類は初めて自分たちを絶滅させることができる道具を手に入れた。

これこそが人類の栄光と苦労の全てが最後に到達した運命である。”

 勘違い系、TS転生の末期戦戦記物。タイトルに反して萌えてきな要素は薄め。局地戦で次々と勝利を上げていくのに、戦略的に敗北が続きじわじわと追い詰められていきつつも、最後まで勝ち続けていく主人公が素敵。

アニメ化も書籍化もしているので知っている人も多いと思うけれど、私はそうした媒体違いのものの中でArcadiaに投稿されたオリジナル版は二番目に好きだ。一番テンポが良く、読んでいて楽しい。書籍版も物語に厚みがでていてそれは良いのだけれども、なかなか終末に至らないのが難点。

 ちなみに一番気に入っているのは漫画版だ。なんだあの可愛い生き物は。

 

幼女戦記Tuez-les tous, Dieu reconnaitra les siensを読んでみる